緊張やストレスによる血圧上昇を抑制し、
眠ったような状態で治療を受けられる静脈内鎮静法。
当院ではインプラント治療時にセデーションをお薦めしています。

医局長・特診室診療主任 三宅雄一郎
*インプラント、セデーション、いずれも自費診療となります

治療中のストレスを
軽減するための選択肢

──インプラントの治療に恐怖心をもっている人も多いと思います。ワタナベ歯科では、どのような治療を提供しているんでしょうか。

当院ではインプラントなどの治療時に、静脈内鎮静法(セデーション。以下セデーションと表記)と呼ばれる処置をおこなっています。これは静脈から麻酔薬を点滴し、眠ったような状態でリラックスして治療を受けていただけるというものです。インプラント、セデーションともに保険外の自費治療となりますが、併用することでいろいろなメリットがあります。

──セデーションの処置中というのは、どれくらい意識があるものなんでしょうか。

術後かならず「いかがでしたか?」と、お訊きしていますが、「治療がどこから始まったか、あまりよく覚えていない」「もう終わったんですか?」という感想が非常に多いです。気がついたら治療が終わっているという感じでしょうか。

──インプラントの場合、局所麻酔で処置をする歯科医院が多いと聞きますが、セデーションをおこなうメリットには、どんなものがあるんでしょう。

インプラント治療の場合、1本、2本で同一部位の治療であれば、実際の処置時間は40分程度で済みますが、複数箇所を同時に治療するような場合は、かなり時間がかかります。私自身、4ヵ所を一回で治療する場合は、2時間半程度を見込むことが多いです。局所麻酔の場合、その間ずっと口を開けている必要がありますが、セデーションを使えば、そのストレスを感じることはありません。

当院の場合、院内に常駐している技工士さんと細部についてコミュニケーションを取りながら作業を進めていますので、通常よりも多少時間がかかる傾向にあることも事実です。技工士さんとディテールを詰めて、より良い仕上がりにしたい。でも患者さんが感じるストレスはできるだけ減らしたい。セデーションをお薦めするのには、こうした理由もあります。

血圧などをモニターしながら
おこなうので安心

セデーションをおこなう際には血圧、心拍、呼吸などを常時モニターしている

──そのほか、セデーションが優れているのは、どんな点でしょうか。

血圧をモニター、管理しながら施術できるのも大きなメリットのひとつです。局所麻酔の場合、手術中に緊張やストレスで血圧が上がってしまうことがありますが、眠ったような状態で治療を受けるセデーションでは、そのような血圧上昇が起きる可能性は、大幅に低くなります。

──緊張やストレスで血圧が急に上がるなんてことがあるんですか。

決して珍しいことではありません。高血圧とは一般に130(mmHg。最高血圧)/80(最低血圧)以上の状態をいい、75歳以上の場合は140/90以上と定義されています。最高血圧が220mmHgを超えると脳出血のおそれが出てきますが、治療中に緊張や恐怖心から最高血圧が200くらいまで上がってしまう患者さんも、なかにはいらっしゃいます。

当院では治療前にかならず血圧を測りますが、病識(自覚症状)がないけれども、じつは高血圧という方は、かなり多いですね。歯科治療をしたあと数日具合が悪くなって寝込んだ、という方がときどきいらっしゃいますが、調べてみると高血圧だったという場合が多いんです。

50歳以上で健康診断を受けて、すべての数値が正常という人は約2%と言われています。病識がなくても、どこか具合の悪いところがあるのが普通、という認識をもった方が良いのではないでしょうか。