信頼関係、的確な治療、
そして定期的なメンテナンス。
すべてのスタートはここから

──「女性目線の審美治療」に関して、後藤先生が手がけた具体的な例を聞かせてもらえますか。

以前、女性の患者さんで上側の前歯4本をインプラントにした方がいました。仮歯を入れる段階まで男性歯科医師が担当していたんですが、自分の要望を伝えて調整を繰り返しても、なかなか満足するところまで仕上がらなかったんですね。

歯の大きさがちょっとだけ大きい、形が角張っている気がする、出っ歯気味に見える、というような本当に微妙な調整で、でもそれは患者さん本人にとっては、どうしても気になる部分でした。5〜6回調整しても、どうしても違和感があるということで、その後の治療を私が引き継いだんです。

──引き継いで最初にしたのはどんなことだったんでしょう。

まず患者さんが理想としている前歯の状態がどんなものなのか、もう一度あらためてお話をうかがいました。気になっている点についてもじっくりうかがったんですが、その結果「出っ歯気味に見える」「前歯のボリュームが大きいのが気になる」この2点が最大のネックになっていたことがわかったんです。

前歯の出方、ボリューム、このふたつを修正していくと、今度は前歯1本1本に目が行くようになってきて、左右の歯を同じ形にできますか、というような、さらに細かい部分でのリクエストが出てくるようになりました。ところがインプラントの場合、インプラントの埋入方向、歯ぐきの状態、対合する下の歯とのかみ合わせなど、さまざまな要素を考慮して歯の形を微調整しますので、左右の歯をまったく同じ形に揃えるというのは、なかなか難しいんですね。

そこで歯の形を左右完全に同じに揃えることは難しいです、ということをご理解いただいた上で、できるかぎり同じような形に整えていくという作業をおこなうことにしました。かなり細かい作業ですが、患者さんの満足度を高めるという意味では、こうしたアプローチが、やはり欠かせないと思います。こうした調整作業を2〜3回繰り返していくうちに、患者さんとの信頼関係もできてきて、その後の治療は比較的スムーズに進みました。

話しやすさ、コミュニケーションから築かれる信頼関係など、女性ならではの強みも活かしたい、と後藤先生

治療後に患者さんからお聞きしたんですが、女性(のドクター)だから話しやすかった、歯科医師からのアドバイスも信頼関係が築けている場合と、そうでない場合とでは、受け入れやすさもかなり違いますね、とおっしゃってくださいました。担当医として、これはとてもうれしかったです。

──審美治療の場合もメンテナンスは重要なんでしょうか。

もちろんそうです。審美的な治療をすると、そのときはきれいになりますが、その状態を長く保つためには、噛み合わせや歯周病の予防、歯肉の状態など、お口のなかがよい状態であることが大前提になってきます。定期的な検診とメンテナンスをして、なにか問題があったときには早期発見、早期治療をする。どんな治療も結局はこれに尽きると思います。

──ちょっとした違いのようですが、長い目で見るとけっこう大きな差になりそうですね。

体調による免疫力の変化もありますが、虫歯や歯周病の原因となるのは、やはり日頃の清掃不良(※きちんと歯磨きができていないこと)です。免疫力が低下していたとしても清掃が行き届いていれば、そこまでは悪化しません。そういった意味でも日々のメンテナンスは、とても重要です。まずは、このことをみなさんに知っていただきたいと思っています。